志信会

HOME > スピーカーズコーナー > 参議院選挙の歴史的意義

参議院選挙の歴史的意義

 

志信会顧問 平野貞夫

民主党への政権交代は無血革命

 今年、平成二十二年(2010)は、わが国で議会政治が始まって、120年となる。昨年八月三十日は衆院総選挙で、自民党が大敗し民主党の勝利により政権交代が行われた。

 この民主党への政権交代は、わが国の歴史で初めて国民有権者が、政権をつくったものである。このことは国民市民は肝に銘すべきことである。民主党政権の樹立は、国民による「無血革命」であった。

 議会政治は政権交代が前提の政治制度であり、敗北した自民党が再起を期して党勢の立直しを行うと思っていたところ、その方向とは逆に政党崩壊への道を歩むことになった。自民党が再び政権を担当することはほとんど不可能となった。困ったのは自民党で旧体制を続けようとする人たちである。

反革命を目指す旧体制の人たち

 旧体制の人たちとは、これまで自民党と共に、古い談合体質の資本主義の中で獲得した既得権を、可能な限り続けようとする集団である。例えば情報社会の中で、自己改革を怠ったマスメディア、旧体制の特権を維持したい官僚エリート、そして政治との利権で生きてきた企業家たちのことである。

 具体的に説明しよう。わが国の巨大メディアの実体は、各官庁に「記者クラブ」という排他的な談合システムを置き、権力の広報活動に事実上協力している。さらに、「クロス・オーナーシップ」といって、新聞社とテレビ会社が資本を持ち合っている。

 また、わが国の電波市場は約三兆円といわれている。その中でテレビ・ラジオ・携帯電話など全べての電波料金を合計すると約七十億円という安さである。民間テレビの電波の配分や料金は、これまで自民党政治の談合の中で、低価で配分されていた。

 政権交代した民主党は、「記者クラブ」を廃止し、「クロス・オーナーシップ」を禁止し、「電波料金」をオークションで決める政策を検討している。これで情報社会における公平・公正の情報活動が保証されるのだ。この民主党の方針が実行されれば、これまで自己改革を行っていない巨大メディアにとっては、死活問題である。

 官僚エリートの中で、もっとも民主党政権に挑戦しているのは、一部の検察グループだ。民主党の方針である「検察総長の国会承認」「検事長の認証官制度廃止」「取調べの可視化」などだが、実現すればこれまでの検察の権威は泡となる。具体例はまだまだある。

 旧体制の彼らは、何がなんでも民主党政権を崩さなければならない。本来、政治権力には従順な人たちだが、自分たちの存在を否定しかねない民主党政権に、手段を選ばない抵抗をしているのだ。それは「反革命」という民主主義に反する行動である。

反革命の方法

 旧体制を維持しようとする人々のやり方は、まず政権交代を阻止することであった。平成二十一年の西松事件で、検察は小沢代表秘書を逮捕することで始まり、涼の会事件で石井副代表を狙い、総選挙で民主党を不利にすべくマスメディアと阿吽の呼吸で企んだが、有権者を騙すことはできなかった。

 歴史は政権交代を鳩山民主党に襲いかかったのが、鳩山首相の母親からの「子育て手当」問題と小沢幹事長を狙った石川知裕議員の政治資金収支報告の「虚偽記載」での逮捕であった。検察とマスコミの異常なコラボレーションの前に、多くの有権者は民主党を信頼しなくなっている。大衆社会の弱点だ。

 明らかに情報操作による検察ファッショで、昭和九年に起り戦争への道を開いた「帝国人絹事件」と同じ事態である。これを警告する有識者もいるが、国民的意見にまで盛り上げることに至っていない。

参議院で決る民主政治の定着

 反革命を目指す人たちは、参院選挙で民主党及び与党を少数にすること。自民党を中心とする旧体制を過半数とすること。すなはち、参院を与野党逆転することで、民主党政権に混乱を起こし自民党中心の政権に戻すことである。そのため従来犯罪と扱わなかった問題を乱用して、集中的に小沢幹事長を政界から追放するため、全力を挙げているのだ。

 本来なら民主党政権なので、政権として検察なりマスコミを指導できるはずだ。それができないどころか、閣内や民主党内に検察やマスコミと同じ論を主張する政治家がいる。あれだけ検察権力と戦ってきた共産党が、検察の手先のような言動をくり返している。

 現在の日本の政治社会は、知的劣化の極り状況である。もっとも優先すべきことは、参院選挙で民主党が勝利し、衆参両院で過半数を得ることだ。その上で民主党内の改革を断行して、日本に真の民主政治を定着させることである。次の参院選挙は日本の議会政治の歴史の中でもっとも大事な判断を有権者に求めることになる。

HOME > スピーカーズコーナー > 参議院選挙の歴史的意義